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小中学校時代、いじめを受けていた宏彰は、中学二年の修学旅行の時から登校拒否になった。父親は宏彰が幼い頃に亡くなっており、それ以来、母の礼は女手一つで宏彰を育てていた。父のいない家庭を支える為に礼はがむしゃらに頑張ったが、そのせいで宏彰に構ってやることが出来なかった。少年時代に育んだ心の闇を、宏彰は今でも拭う事は出来ずにいる。礼は、思えば宏彰が修学旅行に行かなくなったのがきっかけだったと思い出し、宏彰を7年越しの修学旅行に誘った。行き先は7年前に行くはずだった、佐賀県だった。
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